ロードバイクにここ 2 年ぐらい手組みのホイールを使っているのだが,今回スポークを変えようとして勉強になったことがあったので,メモっておきたいと思う.
まず,使っているのは,軽量リムの Stan's NOTUBES というメーカーの ZTR Alpha 340 というもの.メーカーのページ(現在はモデルがマイナーチェンジされてしまっている)
340 という名前から分かるように,非常に軽量(リム 340g)で,TNI のハブと DT レボリューションで組んだ状態で,前:548g,後:737g となっていて,計 1285g という軽量なホイールが組める.これだけ軽いのに,チューブレスタイヤが使える上に,全部で 5 万円以下に抑えられていて非常にコストパフォーマンスが良い.
これまで,FIKS:REFLECTIVE シールなどを貼ったり,クリンチャーからチューブレスタイヤにしてみたり,徐々に変更を加えていたのだけれど,今回スポークをエアロのものにしてみようということになった.
選んだスポークは Sapim の CX-RAY というもので,非常に評判がいいもののようだった.
今回は PAXCYCLE というところの国内の通販で,16,000 円ぐらい(20 + 24 本)で購入した.元々つけていた DT のレボリューションが 5,000 円だったので,それと比べると随分高い.
持ってみると,軽いし,薄い.
さらに驚いたのは,弾力がかなりある.下の写真は左が CX-RAY で,右がレボリューションのもので,ほぼ同じぐらいの力で押しつけたときの曲がり具合を比べてみた.
組んでみると,後輪については,センターを出すのがかなり難しい.というのも,Alpha 340 のリムの許容スポークテンションはかなり低いため,テンションが上がらないようにしつつ作業するのが大変だからである.ちなみに,この Alpha 340 は第1世代のものなので,90kgf が上限とされている.マイナーチェンジされて 125kgf まで上がったようだ.
重量は前:570g,後:740g となっていて,計 1310g で,ほとんど重くはなっていない.
動画を撮っておけばよかったのだけれど,振れとり台にセットして空転させたときの回転の良さは明らかに違う.これはいいだろうと思って,サイクリングやイベントなどでしばらく使ってみた.
このホイールでかすみがうらや江の島にサイクリングで行ったり,乗鞍やもてぎでレースに参加してみたりしてみたのだけれど,言われるほど良いとは感じられない...特に下りでのスピードが落ちた気がする.また,なんか力の伝わりがよくないように感じたので,ちょっと調べてみると,色々と分かった.
まず,CX-RAY のような弾性の強いスポークは強いテンションで組まないといけないらしい.あるの掲示板では,Sapim に聞いた人がいて,
しかし,NOTUBE 側でも同じようなことを言ってるところもあって,ZTR Alpha 340 と CX-RAY は合わないというのがほぼ正しいようだ.
ちなみに,ちょっとでも強度を上げたいなら Nipple Washer を使えということも書かれてはいた.参照
要するに,ZTR Alpha 340 と CX-RAY の相性はよくない.(CX-RAY に限らず,弾性の強いスポークということになる).現行版 Alpha 340 だったらまだなんとかなるのかもしれない.今回の教訓としては,リムは重量だけ見ればよいというのではなくて,推奨テンションなども考慮してスポークなども含めて選ぶ必要があることだろう.
相性が悪いといっても,買ってしまったスポークがもったいないので,前輪だけは CX-RAY で,後輪は DT レボリューションに戻してしばらく乗ってみることにした.体重が軽い方であるのと,前輪だったらテンションを高めでも大丈夫かなぁという考えからである.甘いかな.
ちょっと関連あるのだけれど,チューブレスタイヤがヒドいことになったので,それについても書いておこう.上に書いたスポークを変える作業をする前に IRC のチューブレスタイヤを今年のツールド八ヶ岳の会場で買ってしばらく使っていた.前のバージョンということで安く売っていた.前後ともこのタイヤにして,調子良いので気にいっていた.
しかし,あるタイミングでタイヤのビードを上げなおす必要があるぐらい抜けてることがあって,入れなおしてシーラントも入れて家の中に置いておいたら,急に爆発した(らしい).このときは家にいなかったのだけれど,家族に聞くとすごい音がしたらしい.外してみると,下のようにタイヤのビードが破れている.
こんなことがあるのかって感じ.
乗っているときだったらと思うとゾっとしますね.
ビードを上げるために,空気を上限近くまで上げていたのだけれど,すぐに爆発したわけではないし,空気を入れてから随分後になってだったのがどういうことなのかなぁと.ちなみに,夏の暑い時期だったので,シーラントで気密性が上がりすぎてよくなかったのかなぁということで,片輪だけは
Hutchinson Atom を新調して使っていた.
それで,上に書いたスポークの交換をするときになって,またタイヤをはめて空気を入れることとなった.上の爆発は暑さのせいかと思っていたので,また気圧上限ギリギリまで空気を入れてしまったのがよくなく,また爆発が起こった.ちなみに,その後ポンプのメーターが低めに出してしまい,ギリと思っていたのは上限気圧を越えてしまっていたということが分かった.
上限って本当にギリギリラインなんだなぁと.(ただ同じ状況の Hutchinson の Atom では起こらないんですよね.)
ということで,IRC のタイヤをあえて買うのも恐いなぁということで,Hutchinson 派に乗り換えることにしました.
まず,使っているのは,軽量リムの Stan's NOTUBES というメーカーの ZTR Alpha 340 というもの.メーカーのページ(現在はモデルがマイナーチェンジされてしまっている)
340 という名前から分かるように,非常に軽量(リム 340g)で,TNI のハブと DT レボリューションで組んだ状態で,前:548g,後:737g となっていて,計 1285g という軽量なホイールが組める.これだけ軽いのに,チューブレスタイヤが使える上に,全部で 5 万円以下に抑えられていて非常にコストパフォーマンスが良い.
これまで,FIKS:REFLECTIVE シールなどを貼ったり,クリンチャーからチューブレスタイヤにしてみたり,徐々に変更を加えていたのだけれど,今回スポークをエアロのものにしてみようということになった.
選んだスポークは Sapim の CX-RAY というもので,非常に評判がいいもののようだった.
今回は PAXCYCLE というところの国内の通販で,16,000 円ぐらい(20 + 24 本)で購入した.元々つけていた DT のレボリューションが 5,000 円だったので,それと比べると随分高い.
持ってみると,軽いし,薄い.
さらに驚いたのは,弾力がかなりある.下の写真は左が CX-RAY で,右がレボリューションのもので,ほぼ同じぐらいの力で押しつけたときの曲がり具合を比べてみた.
重量は前:570g,後:740g となっていて,計 1310g で,ほとんど重くはなっていない.
動画を撮っておけばよかったのだけれど,振れとり台にセットして空転させたときの回転の良さは明らかに違う.これはいいだろうと思って,サイクリングやイベントなどでしばらく使ってみた.
このホイールでかすみがうらや江の島にサイクリングで行ったり,乗鞍やもてぎでレースに参加してみたりしてみたのだけれど,言われるほど良いとは感じられない...特に下りでのスピードが落ちた気がする.また,なんか力の伝わりがよくないように感じたので,ちょっと調べてみると,色々と分かった.
まず,CX-RAY のような弾性の強いスポークは強いテンションで組まないといけないらしい.あるの掲示板では,Sapim に聞いた人がいて,
Sapim Email:
Hello, I am considering CX-Spokes for a wheel using a Stans Arch rim. This rim has a maximum spoke tension of 1000N. I've been told that CX-Ray spokes need to be built to much higher spoke tension (1200N+) in order to function properly.
Can you confirm or deny this?
Will I have any problems with CX-Rays tensioned at 1000N?
----------------------------------------------------------
要約すると,後輪フリー側では 130kgf にしろよって回答があったのこと.まぁ,掲示板の続きでは,それに納得できないという人もでてきたりして,結論は微妙なところだった.Yes indeed, the best way to assemble a wheel with cx-ray spokes is to work with higher tensions. Tensions of + 130 kg on the gear side of the rear wheel and + 120 kg on the disc side of the front wheel or + 100 kg for a race wheel or MTB without disc.
The lifetime of the spoke will decrease if you use tensions below the advised ones. Also the stability of the wheel will not be that good. It has everything to do with the high elasticity of the spokes.
I would not recommend to use cx-ray spokes on a rear wheel with tensions below the 130 kg ( on the gear side).
1000 N spoke tension on the rim. Are you sure that the rim can’t hold more? This means that the rims is not a strong rim. We often see this kind of strengths on single walled city rims. Double walled aluminum rims are in general perfect to use with these higher tensions. Softest alu rims are limited to 120 kg. The higher qualities often from 120 up to 150 kg. The very good ones even more.
しかし,NOTUBE 側でも同じようなことを言ってるところもあって,ZTR Alpha 340 と CX-RAY は合わないというのがほぼ正しいようだ.
Re: tension cx-ray spokes
Postby NoTubesBob » Fri Jul 30, 2010 3:59 pm
We recommend a spoke tension of 95-100 for our rims The cx-ray build better at higher tensions and are not a good choice to use with our rims.
上にも書いたのだけれど,ZTR Alpha 340 は名前は同じままで,マイナーチェンジされていて,重量が若干上がったものの強いスポークテンションを許容するように変更されている.今回のリムでは 95kgf が上限で 340g だったのが,現行版は 125kgf で 385g である.参照 :メーカーページ.ちなみに,ちょっとでも強度を上げたいなら Nipple Washer を使えということも書かれてはいた.参照
要するに,ZTR Alpha 340 と CX-RAY の相性はよくない.(CX-RAY に限らず,弾性の強いスポークということになる).現行版 Alpha 340 だったらまだなんとかなるのかもしれない.今回の教訓としては,リムは重量だけ見ればよいというのではなくて,推奨テンションなども考慮してスポークなども含めて選ぶ必要があることだろう.
相性が悪いといっても,買ってしまったスポークがもったいないので,前輪だけは CX-RAY で,後輪は DT レボリューションに戻してしばらく乗ってみることにした.体重が軽い方であるのと,前輪だったらテンションを高めでも大丈夫かなぁという考えからである.甘いかな.
ちょっと関連あるのだけれど,チューブレスタイヤがヒドいことになったので,それについても書いておこう.上に書いたスポークを変える作業をする前に IRC のチューブレスタイヤを今年のツールド八ヶ岳の会場で買ってしばらく使っていた.前のバージョンということで安く売っていた.前後ともこのタイヤにして,調子良いので気にいっていた.
しかし,あるタイミングでタイヤのビードを上げなおす必要があるぐらい抜けてることがあって,入れなおしてシーラントも入れて家の中に置いておいたら,急に爆発した(らしい).このときは家にいなかったのだけれど,家族に聞くとすごい音がしたらしい.外してみると,下のようにタイヤのビードが破れている.
乗っているときだったらと思うとゾっとしますね.
ビードを上げるために,空気を上限近くまで上げていたのだけれど,すぐに爆発したわけではないし,空気を入れてから随分後になってだったのがどういうことなのかなぁと.ちなみに,夏の暑い時期だったので,シーラントで気密性が上がりすぎてよくなかったのかなぁということで,片輪だけは
それで,上に書いたスポークの交換をするときになって,またタイヤをはめて空気を入れることとなった.上の爆発は暑さのせいかと思っていたので,また気圧上限ギリギリまで空気を入れてしまったのがよくなく,また爆発が起こった.ちなみに,その後ポンプのメーターが低めに出してしまい,ギリと思っていたのは上限気圧を越えてしまっていたということが分かった.
上限って本当にギリギリラインなんだなぁと.(ただ同じ状況の Hutchinson の Atom では起こらないんですよね.)
ということで,IRC のタイヤをあえて買うのも恐いなぁということで,Hutchinson 派に乗り換えることにしました.
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